B2Bは企業向けに販売すること、B2Cは個人消費者向けに販売することを意味します。違いは製品ではなく購買プロセスにあります。B2B取引には複数の意思決定者が関わり、営業サイクルは長く、請求書や契約書が必要になります。一方B2Cの購入は通常1人が数分で決め、その場で支払いが完了します。同じコーヒーメーカーでも、どちらの方法でも販売できます。
実務上の違いは数字に表れます。月間売上2万ユーロに到達するには、月500ユーロを支払う法人顧客40社が必要になるか、月5ユーロを支払う消費者4,000人が必要になります。どちらも合計は同じですが、それ以外の共通点はほとんどありません。40社であれば1社ずつ名前で把握でき、うち3社を失うと売上は7.5パーセント減少します。4,000人の消費者であれば、3人を失っても何も変わりませんが、会話を介さずに機能するサポート体制が必要になります。
顧客獲得予算もそこから導かれます。年間6,000ユーロの価値がある法人顧客であれば、電話、デモ、出張といった1,500ユーロの営業活動を正当化できます。年間60ユーロの価値しかない消費者では、せいぜい15から20ユーロ程度しか正当化できないため、プロセス全体を広告とセルフサービスで回す必要があります。
創業者はしばしば、説得すべき相手が少ないという理由でB2Bの方が簡単だと思い込みます。しかし実際にはB2Bの取引には3か月から9か月かかることが多く、利用者、予算の決裁者、時には法務やIT部門の審査を経る必要があります。その期間を乗り切るだけの十分な資金が必要です。2つ目によくある誤りは、誰が決めるのかを忘れることです。B2Cでは利用者と支払う人が通常同一人物です。B2Bではソフトウェアを使う人が予算を持たないことが多く、そのためメッセージには利用者向けのバージョンと、契約に署名する人向けのバージョンの両方が必要になります。
価格表示のあり方も異なります。消費者向け価格は付加価値税込みで表示されます。それが顧客の支払う金額だからです。法人向け価格は税抜きで表示されます。買い手が付加価値税を還付請求できるからです。これを取り違えると、あなたのオファーは付加価値税分だけ実際より高く見えてしまいます。
